30kmランを終えて【足袋とランニング】
【足袋とランニング】
姿勢トレーナー片山翔太はなぜ足袋を勧めるのか。
が今日の大テーマ。
11/14足袋シューズhitoeを履いたランニング初心者3名が30kmを無事走り切った。
10kmや20kmの長い距離を歩いたり走ったりする最大のコツは膝関節や腸脛靭帯など、痛めてしまうと
"即体重をかけられなくなる組織"
に過度な負荷をかけないフォーム(姿勢)を作ること。
この"即体重をかけられなくなる組織"は
言い換えると"伸び縮みできない組織"である。
40kg以上ある重さのある体を動かしているのは紛れもなく身体中の筋肉でありそれを可能にしているのは筋肉がゴムのように伸び縮みをするからだ。
骨は伸び縮みしない。
骨を繋ぎ止める靭帯も関節内のクッションである半月板や関節唇もほぼ伸び縮みしない。
ウォーキングとランニングでカギになるのは
"2つの腱"である。
1つはご存知アキレス腱
あともう1つが長趾屈筋腱
1つ目のアキレス腱というのはふくらはぎの大きい筋肉である腓腹筋やヒラメ筋が足首に近づくにつれて細くなっていきやがて1本の硬くてすじばった腱になる。これがアキレス腱。
みなさんがよく知ってるようにアキレス腱はつま先立ちやジャンプのときに使われるもの。
ちなみにギリシャ神話でアキレウスという英雄が足に矢を受け絶命したことからアキレス腱を致命傷と表現するようになったといわれている。ブラピ主演のトロイ(2004)を参照。
2つ目の長趾屈筋腱はあまり聞くことがないがすねの骨の裏側に付いている"ふくらはぎのインナーマッスル"で足首付近から細い腱になり足の指の2〜4番目の裏についている。
2〜4番目の足の指を曲げてグーにする役割を持つ。言い換えれば"地面をつかむ"役割だ。
この"2つの腱を最大限に使いこなすことが長く歩き、長く走れる元気な足を作る"極意"である。
どうすればこの2つの腱を最大限使えるのか。
そもそも"腱を使う"とはどういうことか?
これは僕の感覚で伝えるのが難しいが
【バネに似た反発】
この表現がしっくりくる。
例えばすねの裏についていて足の指先の裏にまでついている長趾屈筋。
これを使うには
・踵離地(かかとが地面を離れるタイミング)と
つま先離地(つま先が地面離れるタイミング)の時間的コントロール
・接地時の膝関節の角度
・足関節のアライメントの適正化
などなど。気が遠くなるほどの条件がある。
実際にこれらを1つ1つ意識して修正するのは至難の業。
じゃあ僕はなぜこの"バネ"を手に入れることができたのか。
それは
「強制的にバネを使わないといけない状況があったから」
100kmを足袋で走りきったその時にバネの存在をはっきりと感じた。
11/14の30kmランでもそれが再現できたメンバーがいました。
ゴールが見えてきた26〜7km地点。
ふくらはぎ、おしり、足の裏は疲労でMAX
栄養的にもガス欠気味。
1歩1歩が重く体にのしかかる。
そんな時に掴んだ走りの究極系。
跳ねすぎず
沈みすぎず
歩幅は最小限
上半身の揺れは少なく
呼吸は深い
走るというより進む
彼女は「これなら永遠に走れそう」と思えるフォームを体が追い込まれた極限状態で見つけた。
それはつまり体の表面にある大きなアウターマッスルを使うのではなく体の深層にある細く強いインナーマッスル(腱)を使う感覚。
走れば走るほど体が引き締まり楽になる。そんな走り方。
おそらくこれは厚底のシューズでは体験できないこと。
常に足裏の感覚が感じられる足袋型シューズhitoeだからこそ体にあるバネをフルに活かして走る感覚が掴めたんじゃないかと思う。
だから僕は姿勢を良くしたいと思ってる人には足袋を勧める。走りたいと思ってる人にももちろん勧める。
ただのファッションじゃない。
あなたの身体を変えるのに必要なツールだから強く勧める。
30kmを走って感じた【足袋とランニング】のお話でした。